ミーハー3号のおすすめSF

SFの古典とは?という質問をしてくださった方がいて

「ウエルズ、ハイライン、アシモフあたりかなぁ。」と答えてみたのですが、具体的なおすすめをちょっとまとめてみたかったのでブログに書いてみようかなと思う。

しかし、ミーハーなので「古典とは?」みたいなところからは外れるだろうしSFファンの方々からは眉をしかめるようなラインナップかもしれないけどうっかり見かけたとしても「こんなのがあってもいいさ」と笑って見逃してほしい。

取敢えず日本SFは抜かして海外編をやる。(だってそうしたら平井和正でとりあえず始まって終わってその後また再開するから。) 

あとブラッドベリはSF作家だけどSFというより幻想文学だったりホラーだったりするんで王道からは外れると思うんでまた今度にする。

まずは外せないのは

 

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

 

 いきなりハイラインでもアシモフでもウエルズでもないけどこれは外せない。

冒頭は少しだけ読みにくい。

・・・ごめん、嘘。冒頭はかなりとっつきにくい。でもそこを超えると本当に見る見るうちに読み切ってしまう。邦題が秀逸。めっちゃ面白いから。

科学的な空想に基づいたフィクションというSFを体現してる作品。

「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」3部作最後まで読んでって思う。本当に面白いから!!

でも自分の本棚にはこれしか見当たらなかった(涙)

おっかしいなぁ。先月「星を継ぐもの」はよんだんだけどなー。

 

タイム・マシン (1978年) (ハヤカワ文庫―SF H.G.ウエルズ傑作集〈2〉)

タイム・マシン (1978年) (ハヤカワ文庫―SF H.G.ウエルズ傑作集〈2〉)

 

「タイム・マシン」H・G・ウエルズ 

ここからSFが始まったとかうっかり言うとSFファンから総叩きにされそうだけどやっぱり「タイムマシン」とか「宇宙戦争」とかどきどきして読んだ。

ふん、ミーハーだけど自分だってSFファンだもん。

面白いし押さえておいてもいいじゃんって思う。

 

 

ラモックス―ザ・スタービースト (創元SF文庫 (618-8))

ラモックス―ザ・スタービースト (創元SF文庫 (618-8))

 

 「ラモックス」R・A・ハイライン

「スチュアート家のペットは、バカでかい宇宙怪獣だった。その名もラモックス。」

これを読むたび直後は

「世界で一番馬鹿らしくて最高で面白い小説はラモックスではないだろうか」

って頭の中が暴走するくらいにラモックスは最高。

本当に面白い。難しい話とかいいから。読んで笑えて元気になれればいいじゃん。

でもしっかりSF。

妹にも読み聞かせた。声に出すと笑いをこらえるのが大変。

表紙、挿絵の天ちゃんが「あまのよしたか」とひらがななのも最高。

「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」フィリップ・K・ディック

言わずと知れたブレードランナーの原作。公開当時は当たらなかったのにじりじりと評価が上がった映画だよね。

今の表紙より以前の表紙の方が好みなのでアマゾンでなく写真でアップ。

邦題もよくね??めっちゃかっこいい。

ブレードランナー」難解だっていうけど「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」はディックにしてはわりとストレートな作品だと思う。

・・・てか、他がわけわからなすぎなんだが・・・面白いけど。

しかし、何故「ブレードランナー」が難解かと言えば、やはり小説では色々丁寧に説明されている事を映画だと説明できないって部分が大きいと思う。

ブレードランナー」みて「わっかんねぇよ(怒)」って思ったら原作を読んでみるといいかと思う。やっぱ設定とか押さえてた方が面白いもん。

最初からディックらしくとばしてて楽しいから。電気羊のくだりは好きよ。

 

 

 「人間の手がまだ触れない」ロバート・シェクリイ

知的生命との接触にまつわるホラーとか時間と次元の話。

表紙が可愛らしかったんで(かわいくない?)当時ジャゲ買いしてよんで「うぉー。」って怖くなった短編集。

ブラックユーモアもりもり。でも楽しい。

読んで損はなし。

 

太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 (スペース・オペラ名作選) (創元SF文庫)

太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 (スペース・オペラ名作選) (創元SF文庫)

 

 太陽系無宿/お祖母ちゃんと宇宙海賊 スペース・オペラ名作選

スペース・オペラ楽しいから。宇宙冒険大活劇。

色々楽しめるんで名作選最高。どれも楽しいけど「お祖母ちゃんと宇宙海賊」「夜は千の眼を持つ」は特に好きかな。

色々読んでみてここから好みの作家と出会うのもいいと思う。

 

地球人のお荷物 (ハヤカワ文庫 SF 68 ホーカ・シリーズ)

地球人のお荷物 (ハヤカワ文庫 SF 68 ホーカ・シリーズ)

 

 ホーカーシリーズ「地球人のお荷物」「くたばれスネイクス!」「がんばれチャーリー」ポール・アンダースン&R・ディスクン

二人の共著になると途端に楽しくハチャメチャになるこの2人。

最高。

テディベアな宇宙人が巻き起こすハチャメチャな騒動は最高。

読んで、本当に読んで。楽しいから。

この2人、ひとりひとりになると硬質な作品を書いたりするんで面白い。

ホーカーシリーズ「あまのよしたか」シリーズでもある。挿絵も最高。

 

 

時間衝突 (創元推理文庫)

時間衝突 (創元推理文庫)

 

 時間衝突 バリントン・J・ベイリー

センス・オブ・ワンダー

めくるめる世界。びっくり箱。

完成度とか感動的とかたぶんそういうものとは無縁の世界。

読んでるとびっくりして、びっくりして、ビックリして終わる。

時間SFとはどういうものか読んでみないとわからないのでみんな読んでみるべき。

聖者の行進 アイザック・アシモフ

アシモフのクールな視点は気持ちいい。

色々説明不要な作家の一人だと思う。

どれ読んでも面白いけどこれ、真鍋さんの表紙がだいすきなんだよなー。

 

スラン (ハヤカワ文庫 SF 234)

スラン (ハヤカワ文庫 SF 234)

 

 スラン  A・E・ヴァン ヴォクト

「新人類」って言葉、本当は怖いよねって気持ちがじわじわくる。

この作家は本当に凄くて今読んでも全然古くない。

「宇宙船ビーグル号」も絶対に読むべき。(でも本が行方不明・・涙)

この人に直接、間接的に影響を受けてないSF作家とかSFアニメとかほとんどいないんじゃねって思うくらいにいろんなもののおおもとになった根源的な話をかいている。

どの話も超絶面白い。

 

デリラと宇宙野郎たち 未来史1

デリラと宇宙野郎たち 未来史1

 

 「デリラと宇宙野郎たち」「地球の緑の丘」「動乱2100」(未来史シリーズ)

R・A・ハイライン

 中編連作。

老いたる宇宙飛行士の悲哀とか月を売った男の最期とか本当にハイラインならではの物語が最高。

色々面白い。

歴史が編まれていくのを追えるのは面白い。

 

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

幼年期の終り (ハヤカワ文庫 SF (341))

 

 幼年期の終り  アーサー・C・クラーク

はじめて読んだ時は読み終わったらさみしくなりすぎて行きつけの飲み屋さんに駆け込んだ。(実は初めて読んだのが二十歳の頃、遅いな!!!)

ずーんってくる。

面白い、うん、面白いとはちょっと違う。

色々考えちゃうね。

でもSFでこそ描き得た世界が凄い。

 タイタンの妖女  カート・ヴォネガット・ジュニア

最初、読んだ時はあんまり好きじゃなかった。

でも読み込んで来たらというか最近面白いと思うようになったのがカート・ヴォネガット・ジュニア

皮肉屋だなー。って思うけどなんかいいなと思うようになった。

人類救済に乗り出す主人公がかっこいいけどかっこ悪い。

最後までちゃんと読むべし。

 

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)

 

デス博士の島その他の物語 ジーン・ウルフ

何度読んでも面白い。何度読んでも判らない。何度読んでもくらくらする。

そういう本。

ジーン・ウルフ殊能将之のサイトで読みはじめた。

あの抜群に頭のいい人がジーン・ウルフを語る時に

「判る必要はない、読んで面白ければそれが正義」的な事を書いていたので判らないけど後ろめたさはない。でもわからないのに面白いとかすごすぎる。

・・・でもわかったらかっこいいなとは思う。

 

番外

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 ぼくがカンガルーに出会ったころ  浅倉久志

日本でSFファンをやってたり海外SFを何作か読んでたらきっとお世話になっている浅倉久志さんの本。

彼の翻訳だからこそ、ディックもカート・ヴォガネットもジーン・ウルフも楽しく読めた気がする。

この本にある彼のSF作家の思い出はいい入門になると思うからこれを読んでそこからSF作家を探すのもいいと思う。

彼の文章は素敵です。SFファン的には大恩人な方。

 

本当はもっとあるけど今日はこのぐらい。